おかげさまで、オセロハウスのロックガーデンは好評で、雑誌や本に掲載していただいています。先日も『建築の仕組みが見える02 最高の緑とエクステリア』という本に取り上げていただきました。

そこで、当時を振り返って、経緯やデザインコンセプト、施工の様子などをお伝えしたいと思います。
敷地面積30坪強に、小さくてもお庭が作りたいというご要望を受け、1階のボリュームを小さくし、塀を取り払い、地域の人や子供たちにも開かれたロックガーデンを作ろうと考えました。小さくても、素材感があり、多様性のある、子供たちが遊びたくなるような場所にしたいと考えました。

駐車場や通路は、鉄平石を敷きました。伝統的な印象や洋風の印象になりがちになるため、2種類の日本の石とギリシャの石を混ぜて、既視感のないものにしています。深みのあるグリーンや褐色と爽やかなグリーンの石とすることで、カジュアルでありながらも奥行きのあるものになり、狭い外構ではあるものの、奥行きという広がりを作り出しています。施工は石を一つ一つの削って、形を合わせていくという大変な作業です。


お庭は、八尾の造園屋さん、グリーンスペースにお願いしています。ロックで色々な植物が植っている庭にしたいとリクエストして、何回も話し合いながら、作っていきました。
石は、グリーンスペースさんのストックヤードまで見にいき、景石やつくばい、沓脱石などを選定しました。景石の重さは2トン近くあり、クレーンで据付けられるととても迫力がありました。


樹木は、ハナミズキをツリーシンボルとしながら、常緑樹や紅葉樹、低木、グランドカバーなど約40種類以上の植物が植っています。季節を感じられると同時に、夏は建物内部に入る強い光を遮り、冬はやわらかい光を内部へと取り込んでくれます。

竣工して数ヶ月後に伺うと、子どもたちの良い遊び場となり、つくばいもめだかが泳いでいました。素材や植物の多様性のあるお庭に、子どもたちや生き物が入り、いきいきと振る舞っている様子を拝見することができ、とても幸せでした。

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