駅を電車で通過するたびに見える動物園前駅ホームの動物タイルは、単にタイルに描かれた動物の絵という以上に、本当の動物のように、ゾウさん、ライオンさん、キリンさんのように親しみを持って大阪の街に受け入れてきました。大阪城やグリコ、通天閣、ハルカスのように大阪を形作っているシンボル、アイデンティティと言っても過言ではないと思います。
動物園前駅をグランドリニューアルするにあたって、この動物たちがもっと生き生きでいる場にしたい、薄暗くて少し危ないという印象を払拭し、まるで自然の中にいるかのようなムラのある環境をつくりたいと取り組みました。ムラのある環境作りは、先のブログで書いている通りです。
ここでは、その動物たちについて書いたいと思います。
今回のグランドリニューアルの目的は、駅の魅力アップと同時に、湿式タイルの剥落対策やホームの落下防止対策などの安全対策でもありました。湿式タイルの剥落を防ぐために基本的には金属のパネルで覆い、動物たちのいる部分のみをくりぬき、木々の間から動物たちを垣間見るような演出としました。
さらにその前にベンチを設けて、ベンチに座ると動物が鳴き出す仕掛けも作っています。ガォー、キィッキィッ、パォーなどまるでホームが動物園のように動物たちが鳴いている時があります。
様々な高さのベンチがあり、人は思い思いに、知らず知らずに自分の居心地のよいベンチを選び取って過ごしています。
そしてエレベーターの設置や電気配線などによりどうしても隠れてしまう動物は、改札のあるコンコース階に移設しています。そうすることで全種類の動物たちを残せています。東中階はサバンナ、西中階は湿地、中中階は北極などとテーマを決めています。
さらに新旧の動物たちが戯れるように、グラフィックサインで新たに動物の仲間たちを増やしています。丸の組み合わせでデザインされています。動物たちが示す行き先案内もとても可愛いです。
是非、訪れて体感してみてください。
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